【読書メモ】武器になる哲学ー2/2ー
引き続き同書籍から気になった部分の抜粋です。
最初はエラーについてです。エラーは避けられるべきだという一般常識的な考えに筆者は一石を投じます。
環境により適合したものが生き残るという自然淘汰のメカニズムにおいて、最大の鍵になるのは「適応力の差は突然変異によって偶発的に生み出される」
「偶発的なエラーによって進化が駆動される」という現象は、私たちの社会にも大きな示唆を与えてくれる
Aを追尾する優秀アリだけのコロニーよりも、間違えたり寄り道したりするマヌケアリがある程度存在する場合の方が、エサの持ち帰り効率は中長期的には高まる
「短期的な非効率」が「中長期的な高効率」
生徒や我々がやらかすミスやエラーはひょっとするとなにか大きなブレイクスルーのきっかけになるかもしれません。そんなポジティブな視点も踏まえれば、相手や自分のミスに対して複数の視野を持って分析する心の余裕が持てるのではないでしょうか。
身分の差がなくなり、建前上は誰にでも機会が公平に与えられているからこそ、差別や格差がよりクローズアップされている
すべてがほぼ平準化するとき、最小の不平等に人は傷つく。
一番印象に残っている一節の一つです。昨今男女平等が過剰にクローズアップされすぎている気がします。一昔前は気にされなかったことも、つつかれるようになったということは、そういった声を上げる土壌が醸成され、逆説的に男女平等社会が実現しつつあると言えるのではないでしょうか。
みんな同じにすればするほど、小さく枝葉末節な粗が目立ってしまうということですね。
「要するに◯◯だ」とパターン認識し、自分の知っている過去のデータと照合することはなるべく戒めないといけない
「要は◯◯でしょ」とまとめてしまいたくなったときには、そうすることで新たな気付き・発見が失われてしまう可能性がある
年や経験を重ねればパターンが蓄積され、そのパターンに当てはめがちです。すると当てはめた時点でその新しい概念のオリジナリティは失われ、自分でそれを陳腐化してしまうということですね。
技術や手法は日進月歩です。新しいものに対して、常に新鮮な気持ちでそれに向き合いたいところです。