【読書メモ】心理カウンセラーが教える話を「聴いて」人を育てる技術ー叱ることー3/3
「 生徒の常識は大人の非常識」
と、どこかで耳にしたことがあります。
この仕事をしていると必ず叱る場面が出てきますが
その場面で活かせそうな考え方も言及されていました。
叱る目的は、相手が「今のやり方はうまくいっていないのだ」ということに気づき、「他のやり方でやってみる」という他の選択肢を見つけ、そして「自分にはやれる」という自信を持って、次のステップに向かうこと
叱る目的は先生側のストレス発散ではなくて、生徒の行動・考え方を変化させることといえます。叱るトピックのド定番の遅刻を例にしますと、叱ったあと彼らが何かしら改善行動を取れるかどうかが要になってきます。
そのため指導をしたあとは、行動に変化があったのか観察したり、「あのとき言ってたことやってみた?」と直接聞いたりしています。変わらなかった場合は失敗であり、手を替え品を替え働きかけます。
叱る際のキーワードはWHYではなくHOWだと思います。WHYは後ろ向きです。「なぜあのとき~だったんだ、どうしてできなかったんだ」といった具合にです。HOWは前向きです。「どうやったら、どうしたらできるのか…」と。
WHYで振り返った後、最後はHOWで終わるのが叱る際のお互いに気持ちのいい〆方ではないでしょうか。HOWを引き出す上で必要な心がけも著者はおっしゃっています。
叱るときには、できるだけ具体的、限定的に伝える必要があります。「お前がだめだ」「いつもお前は失敗する」という抽象的、普遍的表現ではなく、「このことがだめなんだ」「今のやり方がまずいんだ」という具体的、限定的表現にすること
叱られているときというのは、どうも「お前はだめだ」「いつもだめだ」と全人格的、普遍的に否定されているように受け取りがちです。具体的に、そして「今のこのやり方」に限定して注意を伝える
HOWを引き出したあとの振り返りの重要性についても著者は続けます。
振り返りの時間を持つ 叱られたことをどうとらえているのか、そのことから学んだことはあったのかについて、話を聴く時間を持つことはとても大切
最後に、6つの叱り上手へのステップを記されていたので自身への戒めとして掲載し終わります。
(1)一対一になる
(2)感情的になっていないか自分をチェック
(3)うまくいっていない点は具体的、限定的に伝える
(4)他にどういう選択肢や可能性があるのかを聞き出す
(5)自信をつけること
(6)振り返りの時間を持つ
上記以外にも大いに、教員としての心構えを涵養できるトピックが含まれており上質な書籍でした。