【読書メモ】こうすれば必ず人は動く
かの有名なデール・カーネギー氏の書籍です。
書籍全体のレビューはアマゾンさんに委ねまして
教員の観点から学びや気づきのある一節を切り出します。
「相手に対する自分の態度が、自分に対する相手の態度を決定する」 ということもまた真実です。
カーネギー氏は、相手の態度行動は、自分が生み出していると述べ
人を変えようとするなら、まず自分自身を変えることから始めるべき
とも主張します。つまり自分の行動・態度で相手の行動も変わるということです。
至極当たり前のことですが、どんな態度を取るべきなのかが難しいところです。
カーネギー氏はセオドア・ルーズベルトの逸話を例として示します。
ホワイトハウスで執務中のルーズベルトのもとに、近くの陸海軍ビルからとある連絡が届きます。
「ご子息とその仲間たちが、鏡で太陽の光を反射させるいたずらを我々のビルにしていて、仕事にならない」と。
そこで、怒髪天を衝いて子どもたちを叱りつけるかと思いきやルーズベルトは意外な形で子どもたちにはたらきかけます。彼は海軍ビルの屋上から手旗信号で以下のメッセージを送るよう指示を出します。
「全員に告ぐ。本ビルディングに対する攻撃をただちにやめよ。仕事が 滞り、国事が中断される。『もうお前たちにもわかっている例の件』につき、直ちに私のところまで報告すること。セオドア・ルーズベルト」
子どもたちは戦争ごっこしていたわけですが、彼は彼らの言葉ー手旗信号ーで語りかけたのです。当然、「あ、やべぇ」となりますが彼らのプライドは保たれ辱めも受けずにすんだ格好となりました。
ちなみに、しょげて大統領の書斎にやってきた子どもたちに対して彼は真剣な顔つきで疑似軍法会議を開き全員に有罪判決を言い渡したとのこと。
相手の波長に合わせて相手を支配する
自分たちの言葉を使って相手をしてくれた父に対して、子どもたちは信頼や敬愛の念も生まれるかもしれません。
相手の波長に合わせてというのは色々応用ができそうです。引きこもりの子供への親の対応について書かれた書籍で、ゲームをやめない子供のゲームの時間をコントロールするには「やめろ」というのではなく、親も一緒にそのゲームを楽しんで「そろそろやめようか」と声をかけると良いという記述もありました。
また、数年前ハンドスピナーが流行った頃、授業が始まっても取り出して遊んでいた生徒がいたのですが、おんなじような対応でうまくいきました。
(授業が始まっても取り出して遊んでいる生徒に近づいて)
T「なにそれ」
S「ハンドスピナー」
T「おお!あの噂の!?気になってたんだよね、ちょっとやってみたい!貸して!」
(渡してくれる)
S「どう?」
T「あ、こういう感じね~」
(手で回したまま教壇に戻ってそのまま授業へ)
全部が全部そうすればOKという話ではないですが
彼らのフィールドにうまく入り込んでそこから働きかけるのも
一つの手だと思います。